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フーリエ変換とは何か?指数関数型のフーリエ積分とフーリエ変換の定義

投稿日:2020年8月6日 更新日:

この記事では, フーリエ変換とは何なのか, について語ります.

フーリエ級数展開, オイラーの公式, 級数( \( \sum \) )→ 積分( \( \int \) )の変換, フーリエ積分など, これまで当サイトで扱ってきた内容をまとめ, フーリエ変換を導出していきましょう.

初めてフーリエ変換を学ぶ方に理解しやすいよう善処致しますが, 理解が難しい場合には過去記事をご参照下さい.

指数関数型のフーリエ積分

フーリエ変換を一言で表すと, 「指数関数型のフーリエ積分における係数」です. これを理解するため, 三角関数型のフーリエ積分公式, 及び, 指数関数型のフーリエ級数展開をおさらいしておきます.

復習

周期 \( 2 L \) のフーリエ級数展開を \( L \rightarrow \infty \) とすると, フーリエの積分公式が導出できます.

$$ f(x) = \frac{1}{\pi} \int_{0}^{\infty} \left( \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \cos{ \omega (x- \xi)} \; d \xi \right) d \omega \cdots (1) $$

詳しくは以下記事をご参照下さい.

フーリエ変換まであと一歩!フーリエの積分公式

また, フーリエ級数展開には, 複素形式(指数関数型)なるものが存在します.

\begin{eqnarray} f(x) &=& \sum_{m= – \infty}^{\infty} \dot{A_m} e^{imx} \cdots (2) \\ \bigg( \dot{A_m} &=& \frac{1}{2 \pi} \int_{- \pi}^{\pi} f(x) e^{-imx} dx \bigg) \end{eqnarray}

複素形式のフーリエ級数展開とは何か

フーリエ級数展開の複素形式を導出するときと全く同じ方法で, フーリエの積分公式にも複素形式が導出ができます.

上記リンクの記事では, 複素形式 → 三角関数形式で示しましたが, 今回は逆向き(三角関数形式 → 指数関数形式)で示してみましょう.

導出

オイラーの公式

\begin{eqnarray} e^{i \theta} &=& \cos{\theta} +i \sin{\theta} \\ e^{- i \theta} &=& \cos{\theta} -i \sin{\theta} \end{eqnarray}

より, 辺々足すと,

\begin{eqnarray} e^{i \theta} + e^{-i \theta} = 2 \cos{\theta} \end{eqnarray}

よって,

$$ \cos{\theta} = \frac{e^{i \theta} + e^{-i \theta} }{2} \cdots (3) $$

(3)式を三角関数型のフーリエ積分公式( (1)式 )に代入して整理すると,

\begin{eqnarray} f(x) &=& \frac{1}{\pi} \int_{0}^{\infty} &\bigg(& \int_{- \infty}^{\infty} f(\xi) \frac{e^{i \omega (x- \xi )} + e^{- i \omega (x- \xi )} }{2} d \xi \bigg) d \omega \\ &=& \frac{1}{2 \pi} \int_{0}^{\infty} &\bigg[& \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{i \omega (x – \xi ) } \; d \xi \bigg] d \omega \\ &\;& &+& \frac{1}{2 \pi} \int_{0}^{\infty} \bigg[ \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{-i \omega (x – \xi ) } d \xi \; \bigg] d \omega \end{eqnarray}

2項目で \( \omega \rightarrow \; – \omega \) と変数変換すると,

\begin{eqnarray} f(x) &=& \frac{1}{2 \pi} \int_{0}^{\infty} &\bigg[& \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{i \omega (x – \xi ) } \; d \xi \bigg] d \omega \\ &\;& &+& \frac{1}{2 \pi} \int_{0}^{- \infty} \bigg[ \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{i \omega (x – \xi ) } d \xi \; \bigg] (- d \omega) \\ &=& \frac{1}{2 \pi} \int_{0}^{\infty} &\bigg[& \; \cdots \; \bigg] d \omega + \frac{1}{2 \pi} \int_{- \infty}^{0} \bigg[ \; \cdots \; \bigg] d \omega \\ &=& \frac{1}{2 \pi} \int_{- \infty}^{\infty} &\bigg[& \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{i \omega (x – \xi ) } d \xi \; \bigg] d \omega \end{eqnarray}

となり複素形式のフーリエ積分が導出できました.

フーリエ変換

得られた複素形式のフーリエ積分を少々変形して, 複素形式のフーリエ級数展開((2)式)と比較してみます.

\begin{eqnarray} f(x) &=& \frac{1}{2 \pi} \int_{- \infty}^{\infty} \bigg[ \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{- i \omega \xi } \; d \xi \; \bigg] e^{i \omega x } d \omega \\ f(x) &=& \frac{1}{2 \pi} \sum_{m= \; – \infty}^{\infty} \bigg( \int_{- \pi}^{\pi} f(\xi ) e^{-im \xi } d \xi \bigg) e^{imx} \end{eqnarray}

分かりやすく対応させるために変数を合わせました.

フーリエ級数展開とフーリエ積分は「周期 \( 2 \pi \) か \( \infty \) か」という点と「離散か連続か」という点が異なりますが, 意味するところは同じで「とある関数を別の形に展開したもの」です.

フーリエ級数展開の係数部分

$$ \int_{- \pi}^{\pi} f(\xi ) \, e^{-im \xi } \, d \xi $$

に対応するのが, フーリエ積分における

$$ \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \, e^{- i \omega \xi } \, d \xi $$

の部分です. このフーリエ積分の中の, フーリエ級数展開の係数にあたる部分を「フーリエ変換」と呼びます.

フーリエ変換の定義

$$ \mathcal{F}[f] \, (\omega) = \int_{- \infty}^{\infty} f( \xi ) \; e^{- i \omega \xi } \; d \xi $$

ということで, フーリエ変換を一言で言えば,

「複素形式で表されたフーリエ積分の中の, フーリエ級数展開の係数に対応する部分」ということになるかと.

補足

(1) 私自身としましては, フーリエ変換を理解するにあたって, フーリエ級数展開との対応で考えると理解しやすかったので, このように並べて導出してみました.

(2) フーリエ変換において, 変換前の元の関数と変換後の関数は全く別物です. ご注意を.

(3) 「変数の多さ」もフーリエ変換の理解を難しくしています. 今回の記事の中には, \( x, \; \omega , \; \xi \) という3つの変数が現れます. それぞれの意味を述べますと,

\( x \cdots \) フーリエ変換前の元の関数( \( f \) )の変数.

\( \omega \cdots \) フーリエ変換後の関数( \( \mathcal{F} \) )の変数.

\( \xi \cdots \) フーリエ変換に使う積分変数. フーリエ変換をすると, 最終的に消えてなくなる.

教科書によって, 使っている文字が異なりますので, 他の解説書を参照するときには, どの文字がどの役割の文字なのかを意識しないと, 混乱します. ご注意ください.

まとめ

ご覧頂きありがとうございました.

フーリエ変換の定義を聞いてみたところで, 「だから何?」と思うかもしれません. 確かに, 「だから何?」ということに対する回答を, 本記事で紹介することはできませんでした.

フーリエ変換は, 物理や電気の分野で大変重要となる操作なのですが, その辺りの事はこれ以降の記事で解説します.

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