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n端子対回路網の行列表現とZ行列・F行列・S行列の相互変換

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2端子対回路網(4端子回路網)を拡張したものが n端子対回路網という考え方です. 入力端子対や出力端子対が複数存在する回路の解析を容易にします.

本稿では n端子対回路網における Z行列, S行列, F行列の導出と, n端子対回路網における縦続接続の方法について解説していきます.

長いです. ご注意を.

n端子対回路網とは

n端子対回路網とは 2端子対回路網という考え方を拡張した概念です.

2端子対回路網の復習から始めて, n端子対回路網を順に説明していきます.

2端子対回路網

2端子対回路網について復習していきます.

「端子(terminal)」とは回路上のとある 1点のことです. 「端子対(port)」とは 「2つの端子のペア」を指しますが, 「流れる電流が常に同じ」という条件を満たします.

電源プラグからは2本の金属端子が出ていますが, あの金属端子のペアは端子対です.

2端子対回路網の例として「扇風機」を考えます. 簡単のために首振り機能の付いていないものを考えましょう.

扇風機とは電力を運動エネルギーに変換する装置です. 家庭用コンセントから電力を受け取り, モーターで電力を消費します.

このコンセントに挿入されたプラグを「入力端子対」と考え, モーター両端の 2点を「出力端子対」とします. このとき, 入力端子対の各端子には同じ大きさの電流が逆向きに流れていて, 出力端子対においても同様に, 各端子に同じ大きさの電流が流れています.

こうして入力端子対と出力端子対を設定すると, 2つの端子対に囲まれた領域が出来上がり, これを 2端子対回路網と呼びます.

図1 扇風機の Z行列

2端子対回路網の優れた点は「扇風機を分解せずに, 扇風機のすべてを理解できること」です.

2端子対回路網に電圧を印加し, 流れる電流を観測すると, 以下のように, 電圧 – 電流の関係を表す式を導出できます.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{in} \\ \, v_{out} \end{array} \right] = \left[ \begin{array}{rr} Z_{11} & Z_{12} \\ Z_{21} & Z_{22} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, i_{in} \\ \, i_{out} \end{array} \right] \; \cdots \; (1) \end{eqnarray}

電圧と電流を関係付ける $2 \times 2$ の行列 $Z = \left[ \begin{array}{rr} Z_{11} & Z_{12} \\ Z_{21} & Z_{22} \end{array} \right]$ を インピーダンス行列, または Z行列と呼びます.

Z行列さえ分かってしまえば, 出力端子対における電流, 電圧の制御が簡単になります. 出力端子対に所望の電流, 電圧の値を代入すれば, 入力端子対において印加すべき電圧と電流が分かるためです.

注意すべき点として, 上記のように 2端子対回路網で全てを記述できるのは「回路網が線形素子のみで構成されている場合」だけです.

線形素子とは, 印加される電圧と流れる電流が比例関係になる素子であり, 回路網内部にデジタル回路が含まれる場合には使えません. つまり「熱感知・タイマー設定機能付きのエアコン」や「PC」に回路網の考え方をそのまま応用はできないということです.

2端子対回路網について詳しくは以下のリンクをご参照下さい.

n端子回路網への拡張

2端子対回路網では「扇風機」を例に挙げました. 扇風機は「コンセント」から電力を得, 「モーター」で電力を消費します. 入力端子対 1つ, 出力端子対も 1つです.

対して「ドライヤー」という装置は, 電力を「風」に変えるモーターと, 「熱」に変える電熱線, 2つの出力を持ちます.

入力 1つ, 出力 2つの 3端子対を持つわけです. 2端子対回路網のままではドライヤーを扱うことはできません.

2端子対回路網の考え方を拡張し, n端子対の場合を考える必要があります.

3端子対以上の回路網とは, すなわち以下のような回路網です.

図2 3端子対回路網, n端子対回路網

3端子対回路網の場合, 電流, 電圧と Z行列が以下のような関係になります.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{1} \\ \, v_{2} \\ \, v_{3} \end{array} \right] = \left[ \begin{array}{rrr} Z_{11} & Z_{12} & Z_{13} \\ Z_{21} & Z_{22} & Z_{23} \\ Z_{31} & Z_{32} & Z_{33} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, i_{1} \\ \, i_{2} \\ \, i_{3} \end{array} \right] \; \cdots \; (2) \end{eqnarray}

同様に, n端子対回路網の場合は以下のように定義できます.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{1} \\ \, v_{2} \\ \, \vdots \\ \, v_{n} \end{array} \right] = \left[ \begin{array}{cccc} Z_{11} & Z_{12} & \ldots & Z_{1n} \\ Z_{21} & Z_{22} & \ldots & Z_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ Z_{n1} & Z_{n2} & \ldots & Z_{mn} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, i_{1} \\ \, i_{2} \\ \, \vdots \\ \, i_{n} \end{array} \right] \; \cdots \; (3) \end{eqnarray}

n端子対回路網の求め方

ここからは n端子対回路網における Z行列の導出方法について解説します.

各端子対には $ m = 1$ ~ $n $ と番号を付けておき, Z行列の上の行の成分から順に求めていきましょう.

式(3) より, 端子対 $m=1$ における電圧と, 各端子対を流れる電流とは以下の関係があります.

$$ v_{1} \, = \, Z_{11} \, i_{1} \, + \, Z_{12} \, i_{2} \, + \, \cdots \, + \, Z_{1n} \, i_{n} \; \cdots \; (4) $$

n個ある端子対のうちの $m=2$ ~ $n$ の端子を開放, $m=1$ に一定の電圧を印加し, $m=1$ における電流を測定すると以下の関係が導かれます.

$$ v_{1} \, = \, Z_{11} \, i_{1} \; \cdots \; (5) $$

よって,

$$ Z_{11} \, = \, \frac{ v_{1} }{ i_{1} } \; \cdots \; (6) $$

$Z_{11}$ が求められました.

このように独特の変数消去が可能なのは, ひとえに回路網の線形性に依るものです.

続いて, $m=3$ ~ $n$ を開放し, 端子対 $m=1$ に一定の電圧を印加, 端子対 $m=2$ に一定の電流を流して, $m=1$ における電流を測定します.

$$ v_{1} \, = \, Z_{11} \, i_{1} \, + \, Z_{12} \, i_{2} \; \cdots \; (7)$$

$v_{1}$ は印加電圧で, $i_{1}$, $i_{2}$ は測定結果, $Z_{11}$ は先ほど求めた値なので, すべて既知の値です. それぞれの値を式(7) に代入すると $Z_{12}$ が求められます.

以下同様にして, 開放する端子の数を 1つずつ減らしていくと, この行の要素をすべて求めることが可能です.

これを他の行でも同じようにやっていけば, すべての行列要素を求められます.

S行列, F行列への変換

2端子対回路網において, 回路の行列表現は 1通りではありませんでした. 実用上重要な S行列や F行列は抑えておきたいところ.

S行列や F行列は本質的に Z行列と同じものを表しています. Z行列が求められるのならば, S行列や F行列も求められるはずです.

Z行列⇔S行列変換

回路網に対する電力の入射と反射を表現する行列が S行列です. Z行列と違って, 交流信号のみに適用できます(Z行列は直流も交流も扱える).

2端子対回路網における S行列は以下の形で表されるのでした.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, b_1 \\ b_2 \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cc} \, S_{11} & S_{12} \\ \, S_{21} & S_{22} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, a_1 \\ a_2 \end{array} \right] \; \cdots \; (8) \end{eqnarray}

ここで, $a_{1}$, $a_{2}$ や $b_{1}$, $b_{2}$ は 各端子対における回路網への入射波, または回路網からの反射波を表しています. 入射波と反射波を関係付ける行列 $ S= \, \left[ \begin{array}{cc} \, S_{11} & S_{12} \\ \, S_{21} & S_{22} \end{array} \right] $ が S行列です.

S行列について詳しくは以下のリンクをご参照下さい.

S行列と Z行列は以下の関係にあります.

$$ Z = U \, \left( E \, – \, S \right) ^{-1} \, \left( E \, + \, S \right) \, U \; \cdots \; (9) $$

ここで, $E$ は $2 \times 2$ の単位行列で, $U= \, \left[ \begin{array}{cc} \, \sqrt{ z_1 } & 0 \\ \, 0 & \sqrt{ z_2 } \end{array} \right]$, $z_1$ と $z_2$ はそれぞれ端子対 1, 2 における特性インピーダンスです.

この関係は n端子対回路網でも変わりません. 式(9) の関係式に n端子対回路網の Z行列の式を放り込むと, S行列ができます.

ただし, n端子対回路網では $E$ と $U$ は $n \times n$ の単位行列になります.

n端子対回路網 F行列の導出

S行列は斯くも容易に導出されましたが, F行列はそうはいきません.

n端子対回路網における F行列を求めるためには, F行列の役割から考える必要があります.

そもそも F行列とは縦続接続を容易にするためのものです. 縦続接続とは下図のように回路を接続し, 1つの回路網と見做す操作です.

図3 2端子対回路網における縦続接続

図3 は2端子対回路網同士の縦続接続です. n端子対回路網に拡張するならば, 以下の図4のような縦続接続ができるようになります.

図4 5端子対回路網による縦続接続の例

この縦続接続を考えるために必要な行列が F行列です.

F行列には便宜上(定義上), 「入力端子対」と「出力端子対」が必要になります. 「どこを入力端子対と出力端子対にするか」は自分で決めねばなりません.

図4 (A) の 回路網において, 端子対 1, 2, 3 を入力端子対とし, 端子対 4, 5 を出力端子対とすれば, F行列は

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{1} \\ i_{1} \\ v_{2} \\ i_{2} \\ v_{3} \\ i_{3} \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cccccc} \, F_{v1v4} & F_{v1i4} & F_{v1v5} & F_{v1i5} \\ F_{i1v4} & F_{i11i4} & F_{i1v5} & F_{i1i5} \\ F_{v2v4} & F_{v2i4} & F_{v2v5} & F_{v2i5} \\ F_{i2v4} & F_{i2i4} & F_{i2v5} & F_{i2i5} \\ F_{v3v4} & F_{v3i4} & F_{v3v5} & F_{v3i5} \\ F_{i3v4} & F_{i3i4} & F_{i3v5} & F_{i3i5} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, v_{4} \\ i_{4} \\ v_{5} \\ i_{5} \end{array} \right] \; \cdots \; (10) \end{eqnarray}

と表せます. 一方で, 同じ図4 (A) の回路網であっても, 端子対 1 を入力端子対, 他を出力端子対とすれば, F行列は以下の形になります.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{1} \\ i_{1} \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cccccc} \, F_{v1v2} & F_{v1i2} & F_{v1v3} & F_{v1i3} & F_{v1v4} & F_{v1i4} & F_{v1v5} & F_{v1i5} \\ F_{i1v2} & F_{i1i2} & F_{i1v3} & F_{i1i3} & F_{i1v4} & F_{i1i4} & F_{i1v5} & F_{i1i5} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, v_{2} \\ i_{2} \\ v_{3} \\ i_{3} \\ v_{4} \\ i_{4} \\ v_{5} \\ i_{5} \end{array} \right] \; \cdots \; (11) \end{eqnarray}

同じ回路網を扱っていても, 自分で勝手に決めた入力端子対と出力端子対によって F行列の形は変わるのです.

また, 入力端子対と出力端子対で電流の向きが異なることも注意が必要となります. $i_2$ と $i_3$ は 式(10) と 式(11) で電流の向きが反対になっています.

Z行列から任意の F行列を導出する一般的な方法はちゃんと存在しますが, Z⇔F変換の一般式は煩雑で, 使い勝手が良いとは言い難いかと.

F行列は力技で導出するのが良いでしょう(端子対が増えてきた場合には当然ながらその限りではありません).

一例として, 図4 (A) の5端子対回路網についてF行列を求めてみます.

例:5端子対回路網における F行列

図4 (A) において, 入力端子対に $m=1, 2, 3$を取り, 出力端子対に $m=4, 5$ を取ったとき, 電流・電圧の関係は式(10) に示した通りです.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{1} \\ i_{1} \\ v_{2} \\ i_{2} \\ v_{3} \\ i_{3} \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cccccc} \, F_{v1v4} & F_{v1i4} & F_{v1v5} & F_{v1i5} \\ F_{i1v4} & F_{i11i4} & F_{i1v5} & F_{i1i5} \\ F_{v2v4} & F_{v2i4} & F_{v2v5} & F_{v2i5} \\ F_{i2v4} & F_{i2i4} & F_{i2v5} & F_{i2i5} \\ F_{v3v4} & F_{v3i4} & F_{v3v5} & F_{v3i5} \\ F_{i3v4} & F_{i3i4} & F_{i3v5} & F_{i3i5} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, v_{4} \\ i_{4} \\ v_{5} \\ i_{5} \end{array} \right] \; \cdots \; (10) \end{eqnarray}

ここで, 入出力端子対の電流・電圧を関係付ける $4 \times 6$ の行列が F行列です. F行列の成分を求めていきましょう.

$m=2, 3, 4, 5$ の端子対を開放, $m=1$ の端子に定電圧 $v_{1} = a$ を印加して, $m=4, 5$ の端子対における電圧を測定します. $m=4, 5$ において, 測定された電圧がそれぞれ $v_{4a}$, $v_{5a}$ だったとすると, 各端子対における電圧の関係は以下のように表されます.

\begin{eqnarray} a= F_{v1v4} \, v_{4a} + F_{v1v5} \, v_{5a} \; \cdots \; (12) \end{eqnarray}

$m=2, 3, 4, 5$ の端子対は開放しているので電流を考える必要がありません.

同様に, $m=2, 3, 4, 5$ の端子対を開放し, 今度は $m=1$ の端子に定電圧 $v_{1} = b$ を印加して, $m= 4, 5$ の端子対における電圧を測定します.

\begin{eqnarray} b= F_{v1v4} \, v_{4b} + F_{v1v5} \, v_{5b} \; \cdots \; (13) \end{eqnarray}

式(12), (13) は $F_{v1v4}$ と $F_{v1v5}$ についての連立方程式であり, これを解くと, $F_{v1v4}$ と $F_{v1v5}$ が求められます.

端子対 $m=2, 3, 4, 5$ を短絡させて同様に測定すれば, $F_{v1i4}$ と $F_{v1i5}$ が求められ, 端子対 $m=1$ に定電流を印加すれば, $F_{i1v4}$, $F_{i11i4}$, $F_{i1v5}$, $F_{i1i5}$ を求めらます.

定電圧を印加する端子対を変え, $m=2, 3$ の場合も同様に測定を行えば, すべての行列要素を求めることが可能です.

n端子回路網の縦続接続

上述の通り, F行列は回路の縦続接続をサポートするツールです. 実際に以下の図のような回路の縦続接続を考えてみます.

図5 縦続接続

端子対 4 と 6 を接続し, 5 と 8 も接続します.

各F行列は $F_{A} = \left[ \begin{array}{cccccc} \, F_{v1v4} & F_{v1i4} & F_{v1v5} & F_{v1i5} \\ F_{i1v4} & F_{i11i4} & F_{i1v5} & F_{i1i5} \\ F_{v2v4} & F_{v2i4} & F_{v2v5} & F_{v2i5} \\ F_{i2v4} & F_{i2i4} & F_{i2v5} & F_{i2i5} \\ F_{v3v4} & F_{v3i4} & F_{v3v5} & F_{v3i5} \\ F_{i3v4} & F_{i3i4} & F_{i3v5} & F_{i3i5} \end{array} \right]$, $F_{C} = \left[ \begin{array}{cc} \, F_{v6v7} & F_{v6i7} \\ F_{i6v7} & F_{i6i7} \end{array} \right] $, $F_{D} = \left[ \begin{array}{cc} \, F_{v8v9} & F_{v8i9} \\ F_{i8v9} & F_{i8i9} \end{array} \right] $ です.

F行列を使って縦続接続をするためには,

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{6} \\ i_{6} \\ v_{8} \\ i_{8} \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cccc} \, F_{v6v7} & F_{v6i7} & F_{v6v9} & F_{v6i9} \\ F_{i6v7} & F_{i6i7} & F_{i6v9} & F_{i6i9} \\ F_{v8v7} & F_{v8i7} & F_{v8v9} & F_{v8i9} \\ F_{i8v7} & F_{i8i7} & F_{i8v9} & F_{i8i9} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, v_{7} \\ i_{7} \\ v_{9} \\ i_{9} \end{array} \right] \; \cdots \; (14) \end{eqnarray}

という行列が必要です.

図5を見ると, 端子対 $m=6$ と 端子対 $m=9$ は接続されておらず, 一切の相互作用がありません. つまり, 端子対 $m=6$ と $m=9$ の関係を表す成分 $F_{v6v9}$, $F_{v6i9}$, $F_{i6v9}$, $F_{i6i9}$ は $0$ になります.

端子対 $m=8$ と $m=7$ の関係を表す行列成分も同様に $0$ です.

よって, 式(14) は以下のように書き換えられます.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{6} \\ i_{6} \\ v_{8} \\ i_{8} \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cccc} \, F_{v6v7} & F_{v6i7} & 0 & 0 \\ F_{i6v7} & F_{i6i7} & 0 & 0 \\ 0 & 0 & F_{v8v9} & F_{v8i9} \\ 0 & 0 & F_{i8v9} & F_{i8i9} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, v_{7} \\ i_{7} \\ v_{9} \\ i_{9} \end{array} \right] \; \cdots \; (15) \end{eqnarray}

よって, 式(10), (15) より, 端子対 $m=1, 2, 3$ と 端子対 $m=7, 9$ における電流・電圧の関係は以下のように表されます.

\begin{eqnarray} \left[ \begin{array} \, v_{1} \\ i_{1} \\ v_{2} \\ i_{2} \\ v_{3} \\ i_{3} \end{array} \right] \, = \, \left[ \begin{array}{cccccc} \, F_{v1v4} & F_{v1i4} & F_{v1v5} & F_{v1i5} \\ F_{i1v4} & F_{i11i4} & F_{i1v5} & F_{i1i5} \\ F_{v2v4} & F_{v2i4} & F_{v2v5} & F_{v2i5} \\ F_{i2v4} & F_{i2i4} & F_{i2v5} & F_{i2i5} \\ F_{v3v4} & F_{v3i4} & F_{v3v5} & F_{v3i5} \\ F_{i3v4} & F_{i3i4} & F_{i3v5} & F_{i3i5} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array}{cccc} \, F_{v6v7} & F_{v6i7} & 0 & 0 \\ F_{i6v7} & F_{i6i7} & 0 & 0 \\ 0 & 0 & F_{v8v9} & F_{v8i9} \\ 0 & 0 & F_{i8v9} & F_{i8i9} \end{array} \right] \, \left[ \begin{array} \, v_{7} \\ i_{7} \\ v_{9} \\ i_{9} \end{array} \right] \; \cdots \; (16) \end{eqnarray}

まとめ

以上, n端子対回路網の Z行列, S行列, F行列の導出と縦続接続についてでした.

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